服部泰直・島根大学学長にたいする安全保障技術研究推進制度および軍学共同に関する公開要望および質問(2017年4月14日)

2017年4月14日

軍学共同に与しない島根大学教職員有志アピール・呼びかけ人

(石賀裕明 高須晃 内藤貫太 伊藤勝久 尾崎浩一 田中則雄 野田哲夫 吹野卓 栢野彰秀 河添達也 富澤芳亜)

 日本学術会議は、「安全保障と学術に関する検討委員会(杉田敦委員長)」の審議にもとづき、過去の軍学共同を行わないという声明を継承した「軍事的安全保障研究に関する声明」を、2017年3月24日に幹事会において決定しました。この声明は、防衛装備庁による「安全保障技術研究推進制度」がもたらす問題に焦点を当て、「政府による研究への介入が著しく、問題が多い」と明記しています。これは研究者や大学等がこの制度へ応募すべきではないことを表明したものであるといえます。

 一方、防衛省は、2017年3月29日から5月31日を応募期間とし、「安全保障技術研究推進制度」すなわち軍事技術研究に関する公募を開始しました。

 私たち軍学共同に与しない島根大学教職員有志アピール・呼びかけ人は、改めて軍学共同に与しないことを求め、島根大学にも同じ立場にたってほしいと考えます。以下、要望し、質問事項にたいする学長の回答を求めます。防衛省の公募も既に始まっていることから、大変恐縮ですが、2017年4月24日(月)までにご回答いただければ幸甚です。

■要望事項

1)学内外に向けて「安全保障技術研究推進制度」への応募を行わないことを、島根大学として早急に宣言すべきです。

2)上記の宣言を担保するため、ガイドラインや研究倫理に関する規定・憲章等の学内の制度化に早急に着手すべきです。また制度化に先立ち、「安全保障技術研究推進制度」の募集の情報を学内構成員に告知することを止めるべきです。

3)学内の制度化に際しては、学内構成員の声が適切に反映され、市民の声にも配慮したものにするため、広く開かれた民主的な過程を踏むべきです。

■質問事項:以下の3点について、学長のお考えをお答えください。

1)日本学術会議による「軍事的安全保障研究に関する声明」へのお考えをお示し下さい。

2)今年度募集が始まっている「安全保障技術研究推進制度」の学内における扱い(学内への広報、学内構成員の応募を認めるか否か、応募の意向が示された際の対応方針)についての考えをお示し下さい。

3)軍学共同に関するガイドラインや研究倫理に関する規定・憲章等の学内の制度化について取り組むのか、制度化に取り組む場合は、その際のスケジュールと手続きについての考えをお示し下さい。