自民党の「防衛力を支える基盤の構築に関する提言(案)」(2017年6月20日)

防衛力を支える基盤の構築に関する提言(案)
-人事・衛生・装備・技術政策の一層の強化に向けて- (抄)

平成29年6月20日
自由民主党安全保障調査会

3 防衛装備移転
▶展示会への参加や公的金融の活用など、政府自らが旗振り役となって主体的に推進。
▶(防衛装備移転)三原則策定後3年経過したが、主な移転案件はTC-90のみにとどまっている。政府は運用面も含め三原則の見直しを行うべき。
▶老朽化した装備品を無償又は安価で海外へ譲渡し、新たな装備(現有装備の更新含む)を国内に導入。併せて維持整備や教育訓練などの能力向上支援も実施。
▶ASEAN諸国や太平洋諸島諸国は、海洋国家である我が国の安全保障の観点からも極めて重要。海洋安全保障分野も含め、装備・技術移転に係る包括的な戦略文書を作成。
▶北極海航路の開設に伴い、北欧等の周辺諸国との防衛装備協力についても加速。

4 技術的優越の確保
▶宇宙分野、高出力レーザー、レールガン、電磁パルス弾、無人装備、人工知能、CBRN対処など「ゲーム・チェンジャー」となり得る先進技術分野に重点的に資源を配分。また、人的拡充を含め研究開発体制を強化。海外との連携や買収なども選択肢に。
▶防衛技術と民生技術のボーダーレス化、デュアルユース化を踏まえ、民生先端技術の装備品への適用の短期実用化に係る取組を強化する必要。安全保障技術研究推進制度について引き続き着実に実施。

5 研究開発における関係機関・同盟国等との連携
▶CSTIの司令塔機能の下、政府全体でデュアルユース技術の研究を推進。内閣府設置法を改正し、防衛大臣をCSTIの正式な議員とすべき。
▶防衛省において研究開発費を伸ばすとともに、内閣府、文部科学省、経済産業省において、防衛省などともよくすり合わせの上、安全保障に資する研究開発事業を実施。
▶基礎・基盤技術の研究、デュアルユース技術の研究開発の観点から、高度な人材を発掘するという視点も含め、大学側の積極的な参画を期待。意欲のある大学については、セキュリティクリアランスを付与し、研究面や財政面を含め支援をする制度を構築。
▶米国との技術協力をより一層強化。米国における安全保障関連の科学技術政策の司令塔であるDSBのカウンターパートとなる内閣直轄の組織(「安全保障・科学技術戦略会議(仮称)」)を創設し、政府として強力な意思決定をなし得る体制を整備。
▶諸外国のシンクタンクや研究所のように、長期的な戦略を企画・立案できる能力を持つ一定規模の組織を創設する必要。