大分大学への申し入れ(2018年11月8日)

2018年度の安全保障技術研究推進制度に主採択された大学は、大分大学、岡山大学、桐蔭横浜大学だけです。大分大学で採択された研究は、「力触媒定時のための流体アクチュエーター開発」です。研究者は、介護ロボットなど福祉のための技術と考えているかもしれませんが、ロボット兵器にも応用可能な技術でしょう。

「平和をめざすオールおおいた」は、大分大学が安全保障技術研究推進制度に主採択されたことが明らかになった今年8月31日以降、軍学共同反対連絡会と連携しながら迅速に取り組みを行ってこられました。「オールおおいた」は9月21日に、大分大学学長宛てに公開質問状を提出しています。しかし大学からの回答がなく、10月23日に2度目の申し入れを行いましたが、やはり回答はありませんでした。そこで11月8日、「オールおおいた」と軍学共同反対連絡会の共同により、大分大学に対して申入書と質問書(回答期限11月22日)の提出が行われました。

申し入れには、「オールおおいた」から4名(うち3名は大分大学名誉教授)と野田隆三郎・軍学共同反対連絡会共同代表が参加しました。大学側からは、奥山敏之総務部長ともう1名が対応しました。野田共同代表は申し入れの冒頭、2017年に軍学共同反対連絡会が呼び掛けた署名運動に賛同した8370人の署名者を代表してこの場に来ていること、さらに、大分合同新聞の掲載された「軍事応用研究 なぜ」と題する読者投稿を示しながら、これが市民の率直な気持ちであり、そのような市民をも代表してこの場に来ていることを強調しました。野田共同代表が申入書・質問書を読み上げ、大学側に手渡した後、「オールおおいた」の方々から、質問書に誠意をもって回答するよう要請がありました(11月6日に行われた大分大学の学長の定例記者会見で、大学は、「オールおおいた」の質問書については、記者からの質問に対して「回答を検討中」と答えたそうです)。

11月6日に行われた大分大学の学長の定例記者会見では、大分大学は、安全保障技術研究推進制度の来春の募集開始時までに大学としての見解をまとめるとともに、学内での審査制度について検討するとのことです。このことに関して、「オールおおいた」は、大分大学に対して次のことを要請しました。「全国の状況を見れば遅きにすぎるとはいえ、大分大学がこれから検討を始めることは結構なことですので、問題のありかを十分に認識して、賢明なご判断を下されることを期待しています。…大学運営に責任ある立場の先生方に、11月25日に開催される軍学共同反対連絡会の池内共同代表の講演をぜひお聞きいただきたいと思います。大分大学は、『軍事研究に関わらない』と9月末に学長が記者会見で言明されたようですが、問題は、『軍事研究』そのものではなく、民生技術の軍事技術への転用です。今回、大分大学が採択された研究がまさにそれに該当するものです。ぜひ、池内先生の講演をお聞きいただき、安全保障技術研究推進制度がどういうものであるか、それに応募することが大学としてどういう意味を持つのか、などについて認識を深めていただき、来春までの大分大学としての態度決定に向けてのご参考にしていただきたく存じます」

報道
「助成研究中止を」大分大に申し入れー軍学共同反対連絡会(大分合同新聞 11月9日)

↓申し入れの様子

大分大学に安全保障技術研究推進制度の支援を受ける研究の中止を申し入れた野田共同代表(左から2人目)と「オールおおいた」のメンバー
申入書・質問書を大分大学側に手渡す野田共同代表(右側)