「安全保障技術研究推進制度」2021年度応募・採択結果について

 防衛装備庁は8月11日に、2021年度の「安全保障技術研究推進制度」の応募・採択結果を発表しました。91件の応募に対し、昨年度よりも2件多い23件が採択されました。

 「大規模S課題」(最大5年間で20億円を助成)では、大学から3件の応募があり、豊橋技術科学大学の「超高強度ヘテロナノ組織金属の特異な変計挙動のメカニズムの解明」が採択されました。2019年度の2次募集で、筑波大学が大学として初めてこのS課題に採択されて以来、2例目となります。また、「大規模S課題」に採択されたナカシマプロペラの「海水中で使用する複合・金属材料の研究」の分担研究機関として1大学が参加しています。

 年間最大3900蔓延を助成する「小規模A 課題」に岡山大学の「次世代二次電池のためのオペランド核磁気共鳴法に関する研究」の1件、年間最大1300万円を助成する「小規模C課題」に宇都宮大学の「グラフェン被覆アルミ粉末からなる高熱伝導焼結合金の界面設計」、大分大学の「不整地での移動を支援するバイオミメティックアシストスーツ」、千葉工業大学の「高エネルギー物質を用いた高性能固体推進役に関する実験的研究」の3件が採択されています。

 日本学術会議の「軍事的安全保障研究に関する声明」(2017 年)は、安全保障技術研究推進制度について「政府による研究への介入が著しく、問題が多い」と批判しました。この声明を受けて、大学からの応募件数は年々減少し、2019年度と2020年度はいずれも9件にまで下がりました。しかし、今年度は大学からの応募件数が12件へと増加に転じました。

 軍学共同反対連絡会ニュースレター第59号(2021年8月28日発行)では、「安全保障技術研究推進制度」2021年度の応募・採択結果について分析を行いました。ぜひお読みください。