【声明】ロシアは直ちにウクライナへの侵攻を停止し、部隊の撤退を!

 2022年2月24日、ロシア軍がウクライナに対して軍事侵攻を開始して以来10日間が経過した。この侵攻は、ロシアにいかなる理由があるにせよ、他国に対する武力による威嚇や武力行使を禁じた国連憲章第2条4項に違反する行為である。3月2日の国連総会緊急特別会合では、ロシアを非難し即時撤退を求める決議が141カ国の賛成多数で採択されるなど、国際社会によるロシアの軍事侵攻に対する非難の声が高まっている。ロシア国内を含む世界各地で、ロシアによるウクライナへの侵攻を非難し、ウクライナに連帯する市民の集会やデモが相次いで開催されている。大学関係者や学会による声明も多数発出されている。

 ロシアはそういった国際社会や市民社会からの非難の声に一切耳を貸さないどころか、逆に、ウクライナの都市に対する無差別攻撃をエスカレートさせて多数の市民を犠牲にし続けている。教育や研究の拠点である大学も攻撃されて破壊された。ロシア軍がウクライナ国内の稼働中の原子力発電所を攻撃・占拠したことは、人類全体の生存を脅かす暴挙であり、戦争犯罪と言うべき行為である。万が一にも原子炉が破壊されれば、世界全体を放射能で汚染する大惨事につながる危険が続いている。とりわけ、ロシアが核兵器の使用を辞さない構えを崩していないことを、私たちは見過ごすことはできない。なぜなら、昨年発効した核兵器禁止条約は核兵器の開発・製造や保有、使用だけでなく、核兵器による威嚇も全面禁止しており、核兵器による威嚇に言及することは核兵器のない世界を望む国際社会や市民社会に対する重大な挑戦だからである。

 私たち軍学共同反対連絡会幹事会は、平和を望む国際社会、市民社会、国内外の科学界や平和運動と連帯してロシアによるウクライナへの軍事侵攻を強く糾弾するとともに、ロシアが軍事侵攻を直ちに停止し、部隊を撤退させることを求める。

2022年3月7日 軍学共同反対連絡会幹事会